このページでは「白内障の手術」について、詳しく解説します。
ぜひ参考にしてください。
白内障について詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。
白内障手術の一般的なこと
手術の正式名称、目的
通常の白内障手術の正式名称は「水晶体再建術(レンズ挿入、そのほかのもの)」です。
手術内容は一言で表現すれば「濁った水晶体をとって、人工レンズを移植する」というものです。
手術時間について
およそ10分から20分程度必要です。手術をはじめるまでの準備、回復室に戻るまでの時間をふくめると約30分程度と考えてください。
麻酔の方法、手術中の痛みについて
手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔は主に点眼薬で行います。最初はすこししみる感じがしますが、麻酔が効いてくると、しみなくなります。
眼に注射の針を刺すことはありません。
麻酔薬のアレルギーのある方は事前に申し出てください。
手術後はもちろん見えやすくなりますが、手術の前後でかわる部分もあります。詳細はこちらをご覧ください。
白内障手術はいつ受けるべきか
患者さんの生活スタイルや年齢によって、いつ白内障手術をうけるべき時期はさまざまです。
視力はあまりよくないけれど、あまり外出しない、細かなことはしない、という場合は手術ではなく、目薬で、という選択もありえます。
また老眼で悩んでいる場合には白内障が軽度でも「多焦点眼内レンズ」で手術で見え方を改善するメリットは大きいでしょう。
すでに見えにくさが強い状態であれば、水晶体再建術を強くお勧めします。
免許更新には視力検査で一定の基準を満たす必要があります。これに満たない場合は、自覚的な見え方の善し悪しにかかわらず、手術治療が必要です。
普通免許で必要な視力は以下の通りです。
・両目(両眼)で0.7以上
・かつ、片目(片眼)でそれぞれ0.3以上
後述しますが、白内障の手術後の「見え方」と、いままでの「見え方」は多少異なります。勧められるままに手術を受けるのではなく、これから受ける治療の内容と、その後の経過を十分ご理解いただき、納得の上で、手術を申し込んでいただくことが大切です。
白内障手術のリスク
白内障手術は安全性の確立された手術ですが、まれに合併症がおこることがあります。手術中、手術後に起こることのある合併症について説明いたします。
手術中のリスク
非常にまれですが、二次的に手術が必要になる場合もあります。
白内障手術では水晶体嚢とよばれる袋の中にレンズを入れて固定します。この袋を支えているチン小帯が弱い方は、手術中に袋が破れたり(後嚢破損)、固定しているチン小帯がきれたりしてしまう(チン小帯断裂)ことがあります。
このような場合、人工レンズを目に固定する手術が櫃世になりますので、関連病院に紹介させていただきます。
手術後に起こりうる合併症
いかに挙げる合併症はいずれも発症する確率は非常に低く、手術後の点眼薬はこれらの発症を抑えるためのものですので、しっかりと点眼してください。
- 細菌感染 創部または眼内に細菌が入るおそれがあります。点眼を指示通りにし、保護眼鏡の装用を守ってください。なお、眼内に細菌が入ってしまう「眼内炎」の場合、急にぼやけて見えにくくなります。早急に手術治療が必要な状態ですので、少しでも違和感を感じた場合はすみやかに当院まで連絡をしてください。
- 黄斑浮腫 手術後しばらくして視界の中心部がぼやける、ゆがむなどの症状が生じることがあります。必要に応じて浮腫を軽減させる薬剤を使用します。
- 眼圧上昇 手術後の炎症や手術後に使用する点眼薬の影響で眼圧が上昇することがあります。ほとんどの場合は一過性であり、点眼薬により対処可能です。
- 後発白内障 あまり頻度は多くありませんが、手術後、半年から数年ほどで、視界がぼやける、みえにくいなどの症状を自覚することがあります。これは眼内レンズと水晶体嚢の間に濁りがたまった「後発白内障」と呼ばれる状態で、レーザー治療によりもとの見え方にもどすことができます。