当院で施行可能な検査

眼科ではさまざまな検査が行われます。

これは、眼科の「症状」が主に自覚的なものであり、正確な診断のためには他覚的な検査所見も必要であるためです。

このページでは当院で施行可能な検査について、簡単な解説とともに紹介します。

視力検査

視力検査

文字通り視力を測定します

当院には2種類の視力検査表があります。

昔ながらの視力表(測定距離 5m)と、ディスプレイ型(測定距離 3m)のものがあります。

検査のしくみ

C型の印(ランドルト環)の大きさを変えていき、どの大きさまで見えているのかチェックします。ひらがなの指標をつかうこともあります。

なお、手元の見え方を調べるときは別の視力表を使用します。

どうしていつも視力検査を行うの?という質問をよく検査室で伺います。内科の病院で体温や血圧をよく測定するように、眼科では視力検査の結果をみて、患者さんの目に問題がないか、まずチェックしています。いつもと同じように視力が出ていれば、眼に大きな問題はないと判断できますし、視力がいつもより悪ければ、なにか問題が起きているのではないか、と考えられるのです。

オートレフケラトメ-ター

レフケラトメーター

眼の「形」「屈折」を調べる検査です

検査のしくみ

この機械にはふたつの機能があります。

  1. レフラクトメーター(屈折計) 赤外線の光を目に当てて、眼の奥に写った像の大きさ、ゆがみ方で近視や遠視、乱視の程度を測定します。
  2. ケラトメーター 眼の表面の透明な部分(角膜)の丸み(曲率)などを測定する機能です。

検査室の入口にあり、一番初めに行う検査です。

となりに設置してある非接触型眼圧計や視力検査とともに「目の健康診断」的な意味合いの検査です。

なお、コンタクトレンズを装用中の方は検査前に教えてください。コンタクトをしたまま測定することもありますし、外していただいてから測定することもあります。

非接触型眼圧計

ノンコンタクトトノメーター

非接触式眼圧計

眼圧(眼のかたさ)を調べます

検査のしくみ

まず眼の表面に空気を吹き付けます。空気が目の表面に当たると、わずかに凹んで元にもどります。眼圧が低い(目がやわらかい)と元に戻るまでに時間がかかり、眼圧が高い(目がかたい)と早く元の形に戻ります。その速さから眼圧を計算します。

眼に空気があたる感じが苦手な方は検査前に申し出てください。本機以外にも眼圧の測定方法を別に2種類用意してあります。

細隙灯検査

さいげきとうけんさ

細隙灯

眼の表面、中をしっかりと観察します

医師が目の状態を詳しく見るための顕微鏡で、当院の診療部門の心臓部となる存在です。まぶしい検査ですが、頑張ってください。

検査のしくみ

目に細い光をあて、顕微鏡で拡大して診察します(合成倍率は約6~40倍)。

目の表面(角膜)の状態や白内障の進み方をチェックしたり、目の奥(網膜)の状態をくわしく調べることができます。

この「細隙灯」にも接触式の眼圧計が装備されています。

検査の様子は壁面のモニターに投影されます。診察結果の説明は、可能であればこの装置で撮影した写真をお見せしながら行っています

無散瞳眼底カメラ

無散瞳眼底カメラ

眼の奥(眼底)の様子を撮影します

検査のしくみ

一瞬だけ強い光をあて、瞬時に目の奥、つまり眼底の写真を記録します。

すこし、まぶしく感じる検査です。

この眼底写真をモニタに映しながら、診察結果を説明します。

OCT

光干渉断層計

OCT

眼の奥の断面図を撮影できます

目を「輪切り」にして目の奥(眼底)の詳しい様子を調べることのできる装置です。眼科ではCTやMRIと同じような役割を果たします。

緑内障など視神経に変化のある病気でも有用です。

検査のしくみ

眼底に弱い光(赤外線)を当て、反射して戻ってきた光の波を解析して、網膜の細かい構造や病気を描出します。

実際の検査時間は5~10秒程度です。

眼底の病気の検出と評価をするために不可欠ともいえる重要な検査です。

ハンフリー視野検査計

ハンフリー視野計

視野検査の一種です

「静的視野検査」と呼ばれる検査です。視野(みえる範囲)の広がりやどのくらいまで暗い光がみえるか、詳細に測定します。

たとえば緑内障のような病気は視野の中心に近いところから部分的に見えにくくなる傾向があります。本機は、このような病気の評価に特に有用です。

検査のしくみ

ランダムに光を写し、見えているか、見えていないか、反応時間を判定します。

機械の中にデーターベースが内蔵されていているため、実測値だけではなく、年齢による変化の分を考慮した視野の状態もチェックすることができます。

ゴールドマン視野検査計

ゴールドマン視野計

もうひとつの視野検査です

動的視野検査の機械です。古典的な視野検査装置で、見える範囲(視界)全体の広がりを調べることができます。
神経眼科的な病気では必須の検査装置です。

検査のしくみ

明るさや大きさの異なる点を表示させ、動かしながら(ここがハンフリー視野計と違うところです)、見える範囲を計測します。

角膜内皮細胞顕微鏡

角膜内皮計

角膜の状態を評価します

目の表面(角膜)の裏側(内皮)の状態を調べる機械です。白内障手術やコンタクトレンズ関係の検査の際に使用します。

検査のしくみ

写真のように角膜(目の表面の透明なところ)の一番内側にある内皮細胞を拡大し、数を数えます。

角膜内皮細胞の数は目の健康さ、傷み具合を反映します。大きな病気やケガ、加齢やコンタクトレンズの長期装用により細胞の数が減少する可能性があります。

角膜形状測定装置

角膜形状解析

角膜の形状を評価します

目の表面(角膜)の形や状態を調べる機械です。

乱視の程度を確認したり、コンタクトレンズの使用に問題がないか、この機械でチェックします。

検査のしくみ

眼に同心円状の光をあて、眼の表面に映し出された光を分析し、眼の丸み、ゆがみを検出します。

オルソケラトロジーを受けている方はほぼ毎回この検査で治療状態を評価します。

眼軸長測定装置

眼軸長測定

眼球の前後の長さを測ります

白内障の手術の際、眼球の大きさ(眼軸長)を計測します。
この検査結果を参考に、どんな人工レンズを目にいれるか、検討します。

検査のしくみ

光をあてて水晶体(目のレンズ)から目の奥(網膜)までの距離を測ります。

もし強い白内障などが原因で眼の奥に光が届かない場合は、超音波を使用して同様の検査を行うことができます。

当院では児童の近視進行の評価の際に本検査を活用しています。

ヘス赤緑試験

左右の眼球のうごきのずれを測定します

ものが2重に見える(複視)の症状があるときに、眼の動きが正常であるか調べる検査です。

対座式で行うred light testに似ています。

そのほか

色覚検査など

色覚検査 石原式、パネルD-15

斜視 プリズム

Hertel眼球突出計

などの検査機材があります。