スギ花粉症に対する舌下免疫療法の紹介
2月下旬から4月上旬まで、多くの人の目のかゆみの原因となるスギ花粉症。
今年はすでに沈静化しましたが、来年以降の症状を少しでも楽にしたい、という方向けの治療法の紹介です。
花粉症の目の症状は予防的治療がお勧めです
スギ花粉症の症状は「眼のかゆみ」や「くしゃみ」などですが、人によって鼻症状だけだったり、眼の症状だけだったり、両方だけだったりと様々です。また、その年の気候によって症状は強くなったり、弱くなったりします。
眼の症状は春になる前から点眼薬や内服薬を開始することで強い症状の出現をおさえることができることが多いようです(鼻の症状に対する予防的投与の効果は賛否両論です)。
シダキュア 舌下免疫療法とは?
今回紹介するシダキュアというお薬は舌の下においてしばらくすると溶ける舌下錠で、これを1日1回継続して使用することで、スギ花粉による刺激に対する抵抗力を高め、スギ花粉症の症状を抑えるものです。
これまではシダトレンという液体状の薬がありましたが、2019年5月からシダキュアの処方制限か解除されたため、当院でも現在はシダキュアを中心に処方をおこなっています(シダトレンはいずれ生産中止の予定)。
およそ7割程度の有効率といわれています。治療前、点鼻薬、点眼薬、内服薬など複数の薬を使用せざるを得なかった状態から、シダキュア開始後は、薬の種類を大幅に減らし、コントロールが容易になる、という印象です。
治療を受ける前に知っておきたいこと
スギ花粉症であることを採血で確認する必要があります。
これから治療を始める方は受診日時をあらかじめ電話でご確認おねがいします。
適応は以下の通りです。
5才以上
重症の気管支ぜんそくのない方
免疫系の疾患や悪性腫瘍がない方
受診間隔の目安は初回のみ1週間後、その後は月に1回程度です。