視力検査枠

目が良い?悪い? 「矯正視力」と「裸眼視力」

眼科の外来では「最近、眼が悪くなってきた」、とか「うちの子は目が悪いから」など、「眼が良い」か「悪い」か、という言葉を耳にする機会が多いです。でも、病気で眼が悪くなる、ということがそんなによくあることなのでしょうか?

二つの視力「裸眼視力」と「矯正視力」

普通の感覚で考えると、「眼の良い人」は「メガネがいらない人」で、「メガネをかけている人」が「眼が悪い人」という感じになると思います。

でも、われわれ眼科医のいう「視力」は通常、メガネをかけた状態、つまり「矯正視力」を指しています。このため、外来診察の際に「視力は良いですね」と声をかけると、怪訝そうな表情になる患者さんがよくいらっしゃいます。

 

「矯正視力」が良ければ、よい、と眼科医はいうけれど

近視の人はもともと遠くをみることが苦手な反面、手元にはピントをあわせやすい状態です。眼鏡をかけて、ピントを遠くにずらしてあげれば遠くもみえるようになるわけですから、それで問題ないのです。

ただ、たしかにメガネが邪魔な場面はたしかにありますよね….

 

 

「裸眼視力」は眼の疲れの影響を受けやすい

メガネがなくても遠くが見える、この状態が「眼が良い」状態であることに異論はありません。

ただ、この「裸眼でも眼が良い人」でも長時間運転したり、パソコンの作業をした後などでは、眼が疲れて、さっきまできちんと見えていたものが、なんとなくぼやけてきた、ということがよくあります。

これはもちろん「眼が悪くなった」わけではなく、眼の疲れが原因で眼のピント合わせの力(調節力)が落ちているだけです。いわゆる「眼精疲労」の状態で、検査してみると、近視がつよくなった、つまり、遠くにピントが合わせにくい、眼精疲労の状態です。「眼が悪くなった」わけではないので、十分な休養をとれば見え方はいつもどおりに戻ります。実際に、メガネが合わなくなったからと、夕方に眼鏡屋さんで作ったメガネが、朝かけてみたら強すぎた、ということも少なくありません。

つまり、「裸眼視力」は眼の疲れ方で変動することがある、ということを知っておきましょう。

 

 

「矯正視力が悪い」、これは眼の病気を疑うサイン

 

メガネをかけていても見えにくい、つまり矯正視力が悪い場合は、眼、そのものになにか問題がある場合はほとんどです。

具体的には

  • 眼の表面に問題がある
  • 白内障や眼の中の炎症が原因で、本来は光を通さなければいけない部分が濁っている
  • 眼の奥(眼底)に問題があり、外からの光をきちんと感じることができない

などを疑い、特に注意して検査を受ける必要があります。