ウィルス性結膜炎
風邪をひいたときなどに、眼が赤くてメヤニが大量に出てきた。このような場合に疑うのはウィルス性結膜炎です。
ウィルス性結膜炎とは?
おおくの場合、風邪のウィルスが目に入って引き起こされる、強烈な症状を示す結膜炎です。感染力が非常に高く、最初は片目だけだったのに、数日後にも同じような症状をきたすことが多いのも特徴です。
家庭内に小さなお子さんがいたり、数日から数週間以内にウィルス性結膜炎の患者さんと接触することで感染します。他人にうつる可能性があるため、より注意が必要です。手洗いを徹底し、清潔を保ってください。
コンタクトレンズの使用は否が応でも目を触ってしまうので、厳禁です。
ウィルス性結膜炎の症状は?
片目、もしくは両眼の激しい充血とべったりとした色のついた眼脂が特徴です。風邪の症状は伴わないこともあります。
時に目が重いような違和感を感じることも、ウィルス性結膜炎に特徴です。
症状が激しく、ウィルスが角膜に入ると角膜が白く点状に濁るため、かすんで見えるなどの症状を伴うことがあります。
ウィルス性結膜炎の検査は?
「アデノチェック」という名前の検査を行うことがあります。特に医療従事者、介護職の方は他人への感染が問題になりますので、この検査は重要です。
ただし、発症初期には陽性にならないことも少なくなく、かならずこの検査を行うわけではありません。細隙灯検査でウィルス性結膜炎であることがあきらかで、おそらく軽症型であろうと判断した場合は省略します。
ウィルス性結膜炎にかかってしまったら?
非常に感染力が高いため、充血やメヤニが消えるまでは学校や職場は休む必要があります。
極力、眼を触らない、眼脂や涙はティッシュで拭き、すぐに手を洗う、顔に触れたタオルを使いまわさないなどの感染に気をつけてください。
ウィルス性結膜炎の治療は?
風邪に特効薬がないように、風邪のウィルスが原因の結膜炎にも特効薬はありません。
眼科により処方される点眼薬はことなりますが、処方される薬は「炎症を抑え、2次感染を防ぐ/合併症を防ぐ」点眼薬です。抗菌剤だけのこともあれば抗菌剤+ステロイド点眼薬が処方されることもあります。
いずれも症状の悪化を抑える効果はありますが、あくまでもウィルスによって決まる「ある程度の日数」が経たないと治りません。
それでも点眼薬を使用する必要するのは重症化して予期せぬ併発症がおこることを防ぐためです。
ウィルス性結膜炎のおよその分類
ウィルス性結膜炎は原因となるウィルスにより症状の持続する期間が、2週間、7-10日間、3-5日間と異なります。
流行性角結膜炎
アデノウイルス8型・4型・37型・19型
通称「はやり目」。あふれるような大量の眼脂、まぶたの裏側のブツブツや充血、まぶたの腫れ、流涙(りゅうるい)などの症状が激しくあらわれます。
7~14日の潜伏期間があります。
治るまでの期間: 2-3週間程度
咽頭結膜炎熱
アデノウイルス3型、4型
通称「プール熱」。腰洗い槽が減っているため増加傾向、ということです。
結膜にブツブツができて、咽頭炎による発熱を起こします。5~7日の潜伏期間があります。
治るまでの期間: 10日間~2週間程度
急性出血結膜炎
エンテロウイルス70型感染
感染してから1~2日後に突然眼球結膜に点状の出血を伴う充血が起こります。ゴロゴロ感、充血、まぶしさなどがあらわれ、結膜にブツブツができます。
治るまでの期間: 4.5日間~1週間程度