白内障とは?
最近「白内障」という言葉は雑誌やテレビなどで最近よく目にしたり耳にします。ご近所の方から白内障手術を受けた、という話を耳にされた方もいらっしゃるでしょう。いったいどんな病気なのでしょうか?
白内障とはどんな病気?
白内障は虹彩(瞳、くろめ)の後ろにある水晶体と呼ばれる「眼のレンズ」が濁る病気です。
外から見ると目が白く見えるため、「白内障」と呼ばれます。
白内障
散瞳後
白内障の症状は?
「白内障」で濁ってしまう「水晶体」は、外からの光を集め、目の奥に光を届ける役割があります。この水晶体が濁ってしまうと、眼の奥に光が届きにくくなるため、以下のような症状を自覚する可能性があります。
- 目がかすむ
- 目がぼやける
- テレビや本を読んでいると見えにくくて疲れる
- 対向車のライトがまぶしい
- 片目で見ても、2重に見えるようになった
- メガネが合わなくなった、メガネがいらなくなった
対向車のライトがまぶしい、信号の光がまぶしくなった、という症状が初期の白内障の典型的な症状です。
白内障が進行する理由は?
一般的な加齢性白内障は加齢に伴い進行します。早ければ50代ころから出現し、60代になると年齢とともに少しずつ進行することが多いようです。
タバコや紫外線、睡眠不足などが進行の原因となります。
糖尿病がある方、アトピー性皮膚炎の方も白内障になりやすい傾向がありますが、老人性の白内障とは違うタイプの白内障であることが多いです。
白内障の治療は?
白内障の治療方針は、「経過観察」、「進行を抑える目薬」、「手術治療」の3つです。
「何もしない」で様子をみる、つまり経過観察
多少ぼやける、多少見えにくい程度の症状であれば白内障の初期の症状であり、なにもせず経過観察で十分であることも少なくありません。
「最近見えにくくなったけれど、眼鏡を新調すればあまり苦にならない」という場合があてはまります。
「進行を抑える目薬」
まだ手術をする必要のない、初期から中期の白内障では、目薬で進行を抑えるという選択肢もあります。
以下のような場合に点眼薬をお勧めします。
- 「多少の見えにくさはあるけれども視力は良い」状態を維持したい場合
- 「なるべく手術を受けたくない」
- 「全身状態に問題があり、手術を受けられない」
点眼薬はあくまでも進行を抑えることが目的です。
現在、処方可能な点眼薬は「カリーユニ」、「カタリンK」の2種類です。
「カリーユニ」のほうが一般的です。ただ、この目薬がしみて点眼できない方もいらっしゃいます。そのような場合でも「カタリンK」ならしみないことが多いです。
「白内障手術」=「水晶体再建術」
白内障手術は白内障に対する唯一の根治(完全に治る)治療です。白内障手術によって「白内障」という病気から解放され、今後、「白内障」が原因で見えにくくなったり、視力が落ちる心配は無くなります。
下の写真は手術後の、眼内レンズが入った状態です。