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「老眼」について 最近、手元が見えなくて…. 

最近、手元が見えにくい、近くが見えにくくなってきた。これらは老眼を疑う症状です。
「老眼」はよく耳にする言葉ですが、どのような状態でしょうか?

老眼とは?

「老眼」とは、一言で言えば、「目の調節力の衰え」です。
では「調節力」というのは「ピントを合わせる力」です。人の目はいわばオートフォーカスのカメラのように、見たいところにピントが合うようにできています。遠くが見たいときは遠くに、手元をみたいときは手元に自動的にピントがあうので、普段はそれを意識することはありません。

「眼」という組織は外の光や光景を集めて、眼の奥の網膜の中心の一点に像を結ぶ、いわば望遠鏡のようなしくみです。角膜、水晶体などが光を集める役割を持っており、なかでも水晶体はその厚みを変え、ピントの位置の調節に大きな役割を果たしています。

若い頃は水晶体が柔らかく、その厚みは大きく変化するため、ピントの合う幅が広い、つまり遠くも近くも見やすい状態です。
ところが、年齢が上がるにつれて、水晶体が固くなるにつれて、水晶体の厚みも変わりにくくなるため、見やすい幅が制限されてしまいます。これが「老眼」の状態です。
調節力の衰え

 

 

老眼鏡の選び方

ここでは普段メガネをかけていない人向けに、できあいの老眼鏡を選ぶときの注意事項を挙げておきます。

 

若い人は弱い加入のメガネから

加入というのは老眼鏡に書いてある「+1.5D」「+2.5D」などの数字です。弱いものほど見え方を助ける力は弱いですが、メガネをかけたときの違和感が強くなります。

 

「加入度」の強さはピントが合う距離に影響する

老眼鏡は強くすると手元にピントが合いやすくなり、弱いものは少し離れた距離で見やすくなります。強くするとよく見えるわけではないことに注意してください。普段、自分がどのくらい眼を離して手元を見るのか、眼と本の距離で必要な加入度は決まります。

 

遠近のメガネは慣れが必要

遠近両用メガネは遠くも近くも見える便利なメガネです。近眼でもともとメガネをかけている方は40代後半くらいから遠近メガネに移行しても良いでしょう。

ただし、1枚のレンズに遠くと近くの2種類の度数が入っているため、ものを見るときには視点ではなく、顔gと大きく動かすようにしないと、見え方の切り替わる「段差」が気になることもあります。基本的には大きなレンズのフレームを選んだ方が無難です。また、読書など近業が多い方は、単焦点の、近用のみのメガネのほうが、疲れにくいと思います。

 

老眼で、よくある質問

外来でよく話題になる、老眼に関するあれこれです。

近眼の人は老眼にならない?

そんなことはありません。近眼の人はもともと手元が見ることが得意なので、見えにくさを感じにくいだけです。調節力の衰え、つまり老眼は必ず万人に起こります。メガネをかけている近眼の人も見かけ上は遠くがよく見える状態ですので、老眼が進行すると手元のみづらさを自覚することになります。ただし、メガネを外せば、手元は見やすくなります。

老眼 遠視と近視

最近、老眼鏡がなくても手元が見えるようになってきた。

残念ながら眼が良くなっているわけではありません。ほとんどの場合、白内障が進行して、見え方が近視側に傾いている状態です。たまに眼の奥の病気のこともありますので、眼科を受診してください。

 

まだ、30代なのに、手元が見えにくい。これも老眼?

老眼は基本的に加齢に伴う変化です。30代で手元が見えにくい場合は老眼ではなく、「眼の疲れ」による調節力の低下が原因です。詳細は「眼精疲労」をご覧下さい。